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思惑通り、俺は鑑識3人がせわしく働く、プールへとたどり着けた。
…が、この学校のプールはなぜ2階にあるんだ?
前々から思っていたが東高の校舎の作りは、なんかオカシイ。
このプール然り、
無駄なスペースがあったり、変な所に行き止まりがあったり…。
2階と体育館を繋ぐ空中通路なんていう近代的なものまで、
とにかく複雑[斬新]だ。
新入生ならば軽く遭難してしまうのではないかと、心配になってくる。
「………………?」
水の抜かれたプールの側で、何か作業をしている鑑識を見て、俺はふと疑問が湧いた。
(事故だというのに鑑識が3人も来るだろうか?)
俺は隠れている壁から少しだけプールサイドを伺ってみる。
「こ……………な…。た……のせ………高い…ろ…」
鑑識達が何か話をしてるが、
………ダメだ。
離れてていて良く聞こえない。
「なんだお前は!?」
俺はしまったと思い、後ろを向く。
「授業はどうした授業は!?」
どうやらここの学校の教師らしい。
「すいません。ここで亡くなった子と生前、仲良くしていたので……」
俺はとっさに嘘をつく。
「何?お前『ゆめみや あやの』の友達か!?」
ゆめみや あやの……
「ええ。それで、あやのさんの事が気になって……」
俺は悲しい顔&俯きがちという名演技を披露する
「そうか…“あの”ゆめみやにも友達が………」
「あやのさんは事故死だと聞きました……。
だけど、何でこんなに鑑識の方が来ているのか気になって……」
俺は教師の髭面を問いかける様に見る。
「う、それは……………」
ここでタイミング良くチャイムが鳴る。
まるで図った様なBadタイミングだ。
「……ほ、ほら、終業のチャイムがなったぞ。次の授業からはちゃんと出ろよ?いいな?」
教師は逃げる様に走り去っていった。
(…………チッ)
俺は心の中で盛大に舌打ちし、
仕方ないとばかりに東高をあとにした。
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