第一章 達也

4/13
前へ
/120ページ
次へ
外に出ると蒸し暑い夏の風が頬をかすめた。 「とりあえずファミレスでも入ろうぜ。おごるからよ。」 俺は輝に声をかけ、歩きだす。 そして近場のファミレスに入ると、ハンバーグセットを頼んだ。 「で?なにしたんだよ?」 俺は水を飲み干して聞く。 「お前明日どーすんのかなって思ってよ。」 輝は頼んだアイスコーヒーを啜る。 「ああ。行くよ。当たり前じゃん。」 俺の前にハンバーグが置かれる。 「達也の三周忌だもんな。でよ、この間達也のお母さんに会ってよ、黒龍君どうしてるのかって聞かれたよ。」 「お前なんて答えたんだよ?」 俺は口の中でハンバーグをモグモグさせながら聞く。 「あいつなら全然ぴんぴんしてますっつったよ。」 俺はふーんと流すとハンバーグをまた食べはじめる。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1324人が本棚に入れています
本棚に追加