第一章 達也

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「でよ、達也の母さんがお前に礼したいから後で顔出してねだってよ。」 「礼?」 俺は首を傾げる。 「あの、なんだその、お前墓参りとか毎年行ってんじゃん。だからだってさ。」 輝の前にステーキが運ばれる。 「お前頼んだのかよ。」 「文句あんのか?」 「ねぇよ。」 そんな他愛ない会話をしながら俺達は食事を済ませた。 「あれからもう三年も経つんだもんな。時の流れって早ぇーよな。」 俺は爪楊枝で歯に詰まったハンバーグのカスを取りながら、しみじみと言う。
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