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まわりの異変
「じゃあ大変だと思うけどよろしく頼むよ」
「わかってるよお父さん」
「学校には僕の親友の子供がいると思う。その二人がキーだ」
「榊原康政……本多忠勝……」
「二人とコンタクトを取って欲しい。たぶん二人とも抗争のことを知らないだろうから。同じクラスになるように手配してあるからね」
「はい」
「一刻も早く榊原家と本多家には和睦してもらわないと。じゃないと酒井家の天下だ。いや県下かな」
「別にそんなことどうでもいいわよ」
「お母さん」
「どうでもいいって直虎……」
「あなたのことだから心配してないけど……。でも人は言うわ。『なんとかなる』ってね」
「なんとかなる……」
「あんまりテキトーに行動しちゃダメだよ?なんとかなるもほどほどにね」
「直親みたいになっちゃうんだから」
「そうそう僕みたいに……っておい!」
「ささ。そろそろ出発の時間よ直政」
「うん。じゃあ二人とも……行ってきます」
「大丈夫よね?」
「大丈夫さ。僕らの娘だから。珍しく心配してるね」
「べっ……別に心配なんか!」
「はいはい。王道だね」
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