兄と弟

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潤也が笑顔で席につく。 「うるせぇな、朝っぱらからケンカ売りに来たのかよ」 弟は不機嫌そうにベーコンエッグに思いっきりかじりついた。 しばらくの間、静かに朝食が進む。 宗谷は兄の額の右側に小さな痣を見つけた。顔や腕な小さな擦り傷もあるようだ。 「また試合か?」 「これか…、まぁな」 兄は気まずそうに額の痣を軽く撫でた。どうやら、あまり触れられたくないらしい。珍しく負けたのだろうか、宗谷は少し立場が優位になった気がして満足した。 「ケガしない程度に、頑張ってくれ」 「そうするよ」 いつも優しく微笑んでいる姿から想像出来ないが、兄の潤也は剣術の達人だ。剣術は剣道と違い、日本刀で闘う事を想定している。 宗谷といえば、仲間内で中国武術をやっている。正式に指導を受けているわけではなく、経験のある友達のもとで自由気ままに腕を競っている。 「おまえのところは相変わらず、メグちゃんが一番強いのか?」
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