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「なにかな?」
多分緊張して言葉が片言になっていただろう。この初めて感じるプレッシャーにたじたじなのをかっこ悪いが認めるしかない。
「あのー…」
彼女からの第一声をきくことができた…とても透き通った声…でも小さすぎて聞き取りづらい
。
俺が顔をしかめると聞こえなかったと気がつきもう一度口を開いた。
「あの…さっきの歌…また聞きたいんだけど…」
今度はぎりぎり聞こえた。
どうやらまだ聞き足りないみたいだ。
でも、もう帰る準備万端だった俺は「すいません、今日はもう帰りますので」とかるくあしらってしまった。
「…そう」
…今日はこの少女に驚きっぱなしだ。
今確かに一瞬彼女の瞳から光がきえたのだ。
…。
気になった…。
正直とても気になったが俺は「またきます」と言って自転車をはしらせた。
後ろを振り向くと彼女がこちらをみているのがわかった。
それから彼女を見ることはなくなった。
毎日駅で日向ぼっこをしている常連さん(おじいちゃん)曰く、少女が俺と別れてすぐに誰かが迎えに来てその車に乗っていったらしい。
なんだろうこの感じ…。
俺はもう一度彼女にあってみたいと思った。
その願いはすぐにかなってしまう。
変な形で…。
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