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だったのだが問題はその顔である。
整った顔立ち…
体の半分まで伸びた黒い髪。
そしてこの絶望を隠し持った瞳。
間違いなく駅で話しかけてきた子だと確信を持つまで時間はかからなかった…
ナースさんだったのか。
なんともまぁ普通の思考をめぐらす俺に少女は無言を保ったまま歩を進めはじめた。
「点滴…」
小さくそういった。
だが点滴といっても俺は今うってるし明らかに彼女の持っている液体は色が違い、何より表を向いたパッケージのロゴは俺のと見比べると明らかに違う。
「点滴…かえますね…」
すごく冷静で正の有無を質問させない圧力。
だが相変らずの瞳に一瞬子供のような色が宿ったことを俺は見逃さなかった。
「いやいやいや、ちょっと待て明らかにそれ違うだろ!!」
必死で訂正を求める俺は少女に説得を試みる。
ニヤッ瞳の変化が無い代わりに今度は口元がやばい。これは確実におかしい。
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