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あれから3日が経った…。
変な出来事だったなぁ…。
金ちゃん…。
忘れられない…。
あーあ、やっぱり夢だったのかなぁ…。
あれから何回か合コンに誘われたけど、金ちゃんが忘れられなくて、ずーっと断っている。
また、会いたいなぁ…。
僕は、深くため息をつきながら家に帰ると、玄関に段ボール箱の山があった。
「何?これ…。」
迷惑気に避けながら上がると、先輩とリュウタが、
「新しい同居人が来るらしいぞ!しかも、また、男なんだってよ!」
「んで、亀ちゃんの隣の部屋だって!」
「え?あ、そうなんだ…。」
「なんだよ!ノリ悪いなぁ!もうそろそろソイツが来るはずなんだが…。」
「もう、3時だよ!約束は二時半だったのに!」
リュウタと先輩がうだうだ言っていると、
『ピンポーン』
チャイムがなった。
近くにいた僕がドアを開ける。
「こんにちは!」
Σ!
僕は、顔を見た瞬間、固まってしまった!
男なんだけど…。
男なんだけど、金色の瞳、綺麗な黒髪の金色のメッシュの長髪…!
そしてその声…!
忘れるワケが無い!
僕が、呆然と立っていると、中に入って来て、とびっきりの笑顔で、
「金です!今日からここでお世話になります!よろしくたのんますわ!」
か、関西弁…!
あんまりにもビックリして、ずっと固まっていると、僕の後ろにいた先輩とリュウタが、
「じゃあ、あっちで自己紹介しようぜ!」
「うん!どうぞ、上がって!」
「おおきに!じゃあ、早速…。」
彼が上がろうとした時、下に置いてある段ボールにつま付いた。
とっさに僕が、支えてあげると、彼は
「浦、おおきに。」
と、言って上がっていった。
え?
もしかして…。
僕は横を通る彼の首の右側を見ると、僕がつけた紅い印が付いていた。
彼は振り返って僕を見ると、小さく
「にゃあん」
と、言った。
なぁんだ、金ちゃん、本当は男だったんだ。
そりゃどーりで僕のとっておきの笑顔で釣れないはずだ!
じゃあなんで女の子の姿に…?
謎だらけだなぁ…。
とにかく、金ちゃんが男でも、僕の胸がドキドキしたんだよね…。
金ちゃん…。
君が女の子だろうと男の子だろうと関係なく、僕は君が大好きだよ…。
約束守ってくれてありがとう…。
君に出会えてよかった。
僕は、嬉しそうに笑いながら、リビングに向かった。
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