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しかし、その幸せの時間も長くは続かなかった。
ある日、彼女は突然いなくなった。
No.Hは死んだ、という報告がないままに。
私は研究者の中を片っ端から調べた。
半ば諦めかけていたころ、誰かに声をかけられた。
「Joker…?」
振り向けば、そこには腰が曲がり、皺だらけの醜い老婆が一人、杖を突いて立っていた。
「だ、誰?」
「私よ…ハル。」
戦慄した。
「嘘だっ…!」
老婆というには幼い声。
悲しげなハルの声に聞こえた。
「そうよね…こんなだもん…」
皺だらけの手をくすんだ瞳で見つめながらハルの声で老婆は言った。
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