第1話

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人が何かを対象に崇め、信仰するのは何故か 人は弱いから何かに縋らなくては生きていけないのだろうか 何か罪を冒せば懺悔し、許しを乞う そして死の気配を感じては何かに祈り、願わずにはいられない 死という概念を本能で知っていた 何かに祈り、願い続けていた いずれ、それも無駄だと悟った 自分を救えるのは、その"何か"ではない――と 全ては己の中にある 天も神も、現実に存在する母でさえも私を救ってはくれなかった 少なくとも、私の場合は 外の世界を知る事が出来なかった幼い頃 最初の記憶は去り行く母の背中か
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