第2話

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ここはとある国の、とあるビジネス街の一角にある秘密軍事組織、SEACLET FORCE 通称S・F。 世間一般には世界金融経済会社といかにも胡散臭い名前で通っているここは、メディアでは取り上げられる事のない、報道するにはあまりに危険な犯罪を取り締まる事を仕事としている。 そこの専用病院の罪人棟で私、Jokerは非常に優秀な隊員に腹部と背部を刺され、それでも命拾いして、柄にもなく律儀に療養していた。 何故、そこまで律儀に療養しているのか、殺し屋として裏社会で名を馳せていた私自身にもわからない。久しぶりの休養だったせいか、それとも昔育った場所に似ているせいか――― そんな病室の中で、私は幼かった頃の事を思い出していた。 何の力も持たなかったあの頃、私には名前などなかった。 コードネーム、No.J それが取り替えの聞く道具であった私の番号だった。
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