第2話

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私の最初の記憶は、私を見知らぬ場所に置いて去って行く母の背中。 それ以来、私はとある研究機関にいた。 後の話によると、子供を生体実験に使うようなところだったのだが、そこで私は他人にはない知力、体力、動体視力、運動能力、反射神経などに関わる人並み外れた能力を手に入れた。 幸いなことに、何の副作用も、苦しみもなく。 どうやら、出されていた餌のような食事に薬が混ぜられていたらしい。 また、人が簡単に死ぬと言う事も知った。 痛み、苦しみを知らぬまま。 昨日いた子供は今日はいない。 日々の中でいつの間にか知っていた。環境が環境であるだけに、私の性格は着実に歪み、捻れていた。
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