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ハワイの日差しは暑いが、空気が乾燥しているせいか日陰は涼しい。俺は椰子の日陰でビーチチェアーに寝そべり、ぼんやりと波音を聞いていた。
いや、グアムかな?もしかしたら沖縄か常総ハワイアンセンターかもしれない。まあ、どこでもいいや。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんったらもう!いつも寝てばかりじゃん。約束通り遊んでよ、お兄ちゃん!」
リエコだったかカズミだったか、さてはユキエだったか、とにかくスクール水着姿の妹が俺の腕をひく。無論貧乳だ。無乳といってもいい。
関節が竹の節に見えるくらいに手足が細い。細すぎじゃねえのか、それ?
「遊ぶって、一体何して遊ぶんだよ」
「ダウジング見せてよ、お兄ちゃん占い師なんでしょ?」
「ダウジングと占いは別物だ。占いは科学的根拠はないが、ダウジングはだな、無意識の察知を意識上に遡上させるために道具を使ってだな」
俺の妹は頭を両手で押さえ「難しいことわかんない!」と甘えた声を出した。
俺はビーチチェアーから降りた。可愛い妹の為だ、ひと仕事してやるか。
「口で説明するよりも、ダウジングがどんなものか見せてやるぜ」
俺はL型のダウジングロットを手に持ち、砂浜をゆっくりと歩いた。
「お兄ちゃん、何してるでござる?」
「ちょっと待ってろ。お前のために、砂浜から宝物を見つけてやる!」
「お兄ちゃん、大好き!」といって妹は俺に抱きついた。
「こら、探しにくいだろ!離れろよ!」
「い、や、だ!嫌だよ」
コン、コン、コン。
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