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明るく、雲があちらこちらに散らばっている空。
本日もシロガネ山は晴天だ。
こういう日は、ウッドデッキの椅子でゆっくりするにかぎる。
私の名前はアキラ。
一人称は私だが、れっきとした男だ。
歳は19。
今はこうして、シロガネ山に一人……いや、一人と三匹か、とにかく人間は私一人で住んでいる。
父と母は、ホウエン地方でロケットを飛ばしているらしい。
そして私は、このシロガネ山のログハウスで静かに……
ガシャーン!!
暮らせていないのが現状だ。
アキラ「……ハア、またか」
私は、ウッドデッキにある椅子から体を起こし、一度伸びをして、木々の間から降り注ぐ木漏れ日を一身に受け、元の形を失っているであろう室内に入るため、ドアを開けて家の中に入ろうとする。
が、腹に飛び込んできた緑の物体によって、私の体はくの字に曲がりながらウッドデッキへと強制的に戻された。
?「グズッ……
アキラァァァ!!ゲンがまたイジメるぅ!!」
今私の腹に飛び込んできた緑の弾丸は、私のポケモン、キモリの時雨(シグレ)。
あ、お花畑が見えてきた。
寸での所で、抜けそうになっていた魂を私の体に引き戻し、腹に乗っかっている時雨に目を移す。
時雨「アキラァ!!
うわぁーん!!」
アキラ「分かったから、腹から降りろ!」
時雨は目を擦りながら私の腹から降り、しゃがみながら鼻をすすっている。
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