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?「騒々しいな。
一体なんだ?」
続いてドアから出てきたのは、ザングースの夜叉(ヤシャ)。
夜叉は、しゃがんで泣いている時雨を見て、またかと頭を片手で押さえる。
その際に、首に着けているかいがらの鈴がチリンと鳴った。
?「やーい!
泣き虫時雨!」
夜叉の足下でわめいているのは、ヨーギラスのゲンだ。
性格は、絵に描いたようないじめっ子。
コイツに実力行使をしたところで、堅い皮のせいで、こっちが痛いだけだ。
アキラ「……夜叉、吊し上げてくれ」
夜叉「承知した」
10分後
ゲン「下ろしてくださぁーい!!」
今私たちは、家の近くにある滝に来ている。
ここに吊すと、調度よく空中を舞うことの出来る木が生えており、いつもゲンが時雨をイジメるとここに吊し上げている。
コイツもまだガキのせいもあるが、学習しないやつだ。
アキラ「お前が学習しないのが悪いんだ。
どうしても下ろしてほしいならそうするが、滝壷に真っ逆様だぞ?」
滝の落差は、30メートルくらいある。
滝の下で、野生のポニータが憐れみのこもった視線を向けている。
ゲン「そんなこと言わないで、下ろしてくださぁーい!!」
アキラ「ダメだ。
もう少し反省してろ」
そう言って私は、ゲンに背を向けて家の方へと歩き出す。
夜叉と時雨もその後を追う。
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