♯1 始まる場所

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?「騒々しいな。 一体なんだ?」 続いてドアから出てきたのは、ザングースの夜叉(ヤシャ)。 夜叉は、しゃがんで泣いている時雨を見て、またかと頭を片手で押さえる。 その際に、首に着けているかいがらの鈴がチリンと鳴った。 ?「やーい! 泣き虫時雨!」 夜叉の足下でわめいているのは、ヨーギラスのゲンだ。 性格は、絵に描いたようないじめっ子。 コイツに実力行使をしたところで、堅い皮のせいで、こっちが痛いだけだ。 アキラ「……夜叉、吊し上げてくれ」 夜叉「承知した」 10分後 ゲン「下ろしてくださぁーい!!」 今私たちは、家の近くにある滝に来ている。 ここに吊すと、調度よく空中を舞うことの出来る木が生えており、いつもゲンが時雨をイジメるとここに吊し上げている。 コイツもまだガキのせいもあるが、学習しないやつだ。 アキラ「お前が学習しないのが悪いんだ。 どうしても下ろしてほしいならそうするが、滝壷に真っ逆様だぞ?」 滝の落差は、30メートルくらいある。 滝の下で、野生のポニータが憐れみのこもった視線を向けている。 ゲン「そんなこと言わないで、下ろしてくださぁーい!!」 アキラ「ダメだ。 もう少し反省してろ」 そう言って私は、ゲンに背を向けて家の方へと歩き出す。 夜叉と時雨もその後を追う。
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