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そうこうしているうちに、どうやら焼きそばが焼き上がったらしい。
「へいお待ち!!」
やたらイナセに差し出された。
香しいソースの匂い。
パリッと焼けた麺。
色合いも申し分ない。
見た目としては十分過ぎる程だろう。
しかし……
「あの……これ、何入ってるんですか?」
そう、問題はそこだ。
先程の会話の通り、理科教師も助手の九多良木も一風変わっている。普段から薬品をちらつかせているのだ、この焼きそばに何も入っていないとは思いにくい。
嫌な汗が滝のように流れていくのを感じているニーアに、何のことはないとでもいうように理科教師が口を開いた。
「具のことですか?具はキャベツや肉、玉葱にピーマン、もやし……」
割と普通だ。
「後は、次亜塩素酸ナトリウム、アンモニア、水銀、エーテル……」
前言撤回。やはりとんでもない物が入っていた。
「何なんですか水銀って!!生徒殺す気ですかあんた!!てかやっぱり入ってましたねエーテル!!」
「失敬な。賢者の石も細かく砕いてまぶしましたよ」
「んな粉チーズみたいなノリで賢者の石使わないで下さい!」
やたらテンションの高い突っ込みに、隣の男子生徒が呆気にとられた様子でおずおずと口を開いた。
「ニ、ニーアさん?
く、口調変わってますよ……?」
「お黙りっ!!」
女王再臨である。
「あんた達モブ生徒には用はないんですよ!!」
「うわーモブとかいっちゃいますか。てか俺先輩なんだけど何で後輩にこんな口きかれてんだろ」
恐らくメインとモブの差だろうなんてことは作者の口が裂けても言えない。
「さあ、ニーアさん。私の自慢の焼きそば、一皿いかがです?」
「いりません!!」
即営業中止を申し渡し、何とか事なきを得た。
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