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「アンタに聞きたい事があるんだけど……、答えなさい」
「………………命令形? あの、拒否権は?」
「あると思ってんの?」
「いえ、なんかスミマセン……どーぞ」
とは言ったもののどう答えたらいいものか。 と灰村諷音は考える。
正直な所、会って間もない人に話したくない事もある。
だからといって嘘を言い、それが嘘だとバレた時を考え「僕の命日になるかも……」という気しかしない。
(あれ? 会って間もない他人を意識がなかったとはいえ家に入れるかな? それとも、どこかで会った事がある?)
先にその辺の事を聞いてから答えようと思い灰村は、
「ここって聖女サンの家だよね?」
「そうよ、何で?」
「いや、だって……、僕が言うのも可笑しな話だけど、初めて会った男を家に入れるのはどーかと……」
そう灰村が言った時、麗しの聖女様の目尻がピクリと動く。
「初めて……、会った?」
えっ違いましたか!? と冷や汗をダラダラと流してビクビクし始める灰村を見て、早乙女聖はため息を零す。
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