自販機を破壊する聖女

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「オラッ!!」  いじめっ子グループの中にいる、今時その頭はないわ~、と忠告してあげたくなるようなリーゼントの少年が地面に倒れている少年の胸部を蹴る。  ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべていたリーゼントの少年の顔が歪む。 「箕島サン、コイツもう動かないッスよ? ほら、蹴っても呻き声の一つも上げやがらねーッスもん」  自分の言葉が正しいと証明する為にサッカーボールでも蹴るような気軽さで少年の腹部を蹴り上げる。 「鳴き声も聞けねーと萎えるよな。オラッ、鳴けよ灰村ッ!!」  自分たちの欲求不満を満足させる為に叫ばせようと持ち上げた足を落とすも、倒れたままピクリともしない灰村諷音は無言。  それもそうだろう。今、彼は完全に気絶して自分の過去の傷を視ているのだ。 「つまらねーな」  いじめっ子グループのリーダー的存在――箕島竜也(みしまたつや)――がポツリと呟く。  彼の言葉に同意するように箕島竜也の仲間たちは灰村に加えていた暴行をストップし、彼の周りに集まる。  そして、今日はお開きにしようとなった時――、  そこに、早乙女聖が現れた。
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