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だが、背を向けている彼らは彼女の登場にも気付いていない。
それも、彼女の計算通りなのだが。
(待ちなさい! とか言った時の反応を楽しみたくはあるけど……、何コイツ? みたいな反応されたら真っ黒焦げにしかねないわね)
それを考えた早乙女聖の次の行動は『右手で銃を撃つような構えを取る』というもの。
「――バン」
言葉と同時。
早乙女聖の人差し指が出所となり、白と紫が混じり合ったような閃光が走る。
彼女の指先から走った閃光は、レーザーに近い。
ドン! という音が箕島竜也たちの耳朶を震わせるのと全く同時に閃光が彼らの横を通過した事、それは彼女の攻撃が音速を超越していると雄弁に物語っていた。
「――ッ!?」
箕島竜也たちが「な、なんだっ!?」という言葉を吐くよりも、聖のレーザーが校舎裏に設置された自販機を溶かす方が早かった。
それはレーザーの熱量が摂氏二〇〇〇度を優に超えている事を物語っている。
突然ド真ン中に風穴を開けられた自販機を呆然と眺めている少年たちを見て、早乙女聖はニヤリと満足そうな笑みを浮かべる。
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