鉛筆の人生

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ある日この筆箱の住人である定規のジョージは曇った顔をしていた。 「ジョージどうしたんだよ、元気無いぞ?」 モノさんはジョージに尋ねた。 ジョージは言いたいことがあったが中々言えないでいた。 「………実はさあ、」 ジョージは暗い表情のまま重い口を開いた。 「アルフレッドに関係する話なんだけど…。」 アルフレッドは今、主人と共に双六という名の戦争を行っているためここには居ない。 「呼んでこようか?」 モノさんはそう言ったが、ジョージは首を振った。 「実は近い内にこの筆箱に新入りが入るらしいんだ。」 「でもアルフレッドはまだ若いし関係無いんじゃないか?」 モノさんは首を捻った。 「入ってくる新入りがまずいんだよ。」 「…それってもしかして……。」 モノさんは心当たりがあった。 新入りの名はブラック。 シャープペンシルである。 .
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