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私が高校生の時の話し。
ある日友人と二人で電車に乗っていたんですがね、普段ならあり得ない所でブレーキが掛かったんです。
車内は結構混んでましてね、友人と私は立ち乗りでした。
友人になんだろね?と話しているとき、ふと数人挟んだ所にいるおじさんと目が合いましてね、そのおじさんは何をするでもなく私の事をぼーっと見つめているんです。
私は友人に顔に何か付いてる?と聞いたんですが、何も付いてないよと言います。
なぜ?と聞き返す友人にあそこのおじさんが私の事を見つめていると説明したんですよ。
友人はそのおじさんってどの人?と言うものですから特徴を教えたんですが、友人はそんな人いないと言うんです。
しかしおじさんは私を見つめている。
友人はこちらを向いてるおじさんなど居ないという。
その時車内アナウンスが流れましてね、人身事故だと分かったんですがね、どうやら死体は私の乗っている車両の下らしいんです。
作業員らしき人がこの車両の辺りで袋を持って何かしてましたからね。
外の様子を見ているその時・・・・・
あれ?
何か違和感を感じましてね、なんだろうと外をまた見たんです。
するとそこには、私を見つめていたおじさんが居るじゃないですか・・・
さっきいた場所を見るとおじさんはいない・・・
外にいる・・・
そして私を見つめてる・・・
程なくして電車は運転再開したんですがね、その日は釈然としないまま過ごしたんです。
次の日の新聞に小さく昨日の事故の記事が載ってましてね、そこにはあのおじさんの写真が載っていました。
人身事故おしまい
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