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公孫樹<いちょう>
明けない夜をこえて
私は今ここにいる
私の記憶にあるの
一面の黄色の世界
右手に微かに感じる
暖かい…
温もりを捨てられなくて
淡い夢を見続けていた
寂しさの向こう側に
私はどうすれば辿り着けるの?
*君の目には何が映る
私の目には何が映る
黄色い視界がにじんでいて
私にはわからない
君が残した「ありがとう」
私にとっての「さようなら」
解き外された糸の先
君は今はいない
夜明け前を迎えて
僕は今走っている
君の声が聞こえて
この世に落ちてきた
僕が覚えている
涙を流す君の目を
左手に確かに伝わる
強い…
思いをふりほどいて
理想を求めていた
満たされぬ欲望の
果てにあったのは君の姿
*君の目には何が映る
僕にはわかっている
黄色の世界に佇んでる
君の泣いてる姿
君が零した「さようなら」
心につきささるその言葉
絡め合っていた2つの手は
今も君を求め探してる
枯れてゆく黄色の幻想…
風に流れ空高く…
*君の目には何が映る
私の目には君がうつる
黄色は白に変わってくけど
私の世界は黄色のまま
君がくれた「好き」の言葉
私はいつまでも忘れないよ
銀杏の散るこの並木で
私は待っているから
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