序章

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〈ヴィルダside〉 国の中央にそびえ立つ教会(リセクトリア) 国の民はリセクトリアがあることで守られ、日々を平和に暮らしている。 その事実を誰も疑わない 俺はヴィルダ・セラフィ。 《リセクトリア》につかえるエクソシストだ。とはいえ別に神を崇拝しているわけではない。悪魔が本当に邪悪な存在かどうかも、いまだわからずにいる 「なぁに、またこんな遠くからあの子を見てるの?」 「……」 「いくら妹だからってかわいがりすぎじゃない、ちょっと異常よ」 俺がここにとどまる理由はただ一つ。あの子がいるからだ。 アメリ・セラフィ 妹と言っても血が繋がっているわけじゃない。俺とアメリは血なんかじゃない、もっと深い絆で結ばれてるんだ 「ねぇ、ヴィルダってばっ」 「うるせぇな…」 「えっ」 あの子が変わらず笑ってくれるなら、それだけでいい。 それ以外に、それ以上に価値のあるものなんて、こんな世の中にあるはずもない。 「黙れよ。お前に関係ねぇだろ」 「ごめん…なさい。言い過ぎたわ」 「……」 「だから、ね。部屋に来てよ」 「……」 「ヴィルダが欲しいの」 肩に手を回し、耳元で囁く女。これで教会につかえる汚れなき乙女を名乗るとはな .
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