序章

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〈アメリside〉 《リセクトリア》 それは私、アメリ・セラフィが所属する教会の名前。 《リセクトリア》は国の中枢部にあって、国で一番の権力を保持している。 エクソシストとしての素質を見出だされ、私は半ば無理やり教会に連れてこられた。 けれど今、私は一人じゃないから。 友達も、仲間も、なによりここにはお兄ちゃんがいる。 血は繋がっていないけど、すごくすごく大切なお兄ちゃん。 お兄ちゃんがいれば、私はなんでもする。なんでもできる。 「アメリ」 「ルー、おかえりなさい。帰ってたんだ」 「ただいま」 ルー・ハインリヒは、私の同期。エクソシストとしても優秀で、最近は各地を飛び回っている。 「今回の任務はどうだった?」 「あー、そうだな。まぁ、悪くはなかったけど」 「怪我は?」 「無傷」 私の頭をくしゃくしゃってしながら、ルーは子供みたいな笑顔で笑う。 .
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