序章

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〈ヴィルダside〉 渇いてるんだ。みんな・・・ こいつも・・・ 俺も同じ 愛に飢えていて そのくせ形のない愛を信じられない 「あっ…ヴィルダ・・・っ」 ベッドの軋む音に快楽に酔いしれた甘い声・・・卑猥な音が脳を刺激する。 俺は欲望のままに差し出された肉体を貪りつくす。 まるで獣のように・・・ 「あ、だめ。もうミサの時間っ」 情事の後だというのに、余韻を楽しむ時間もない。…まぁ、べたべたといちゃつくような関係じゃないしな 「…大変だな、お前らも、ミサだなんだと時間を縛られて」 「そんなこともないわよ。悪魔祓いなんてやってるヴィルダの方がずっと大変。エクソシストって命がけだもんね」 「……」 「この間も一人、教会のエクソシストが死んだって。司教様は隠したつもりみたいだけど、私達は知ってる」 「スィーニティ・・・」 「ヴィルダも、気をつけてね」 軽く頬にキスをすると、スィーニティは部屋を出ていった。 そういえば、司教に悪魔祓いを頼まれていたな。 とっとと行って済ませてくるか。 .
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