第三章

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〈ヴィルダside〉 「ルー君、ありがとう。助かったよ」 「どういたしまして」 余計なことしやがって。 俺は精一杯の笑みをルーに向けてやる。意味がないのは承知の上で…だ。まったく、憎たらしいくらい優秀なガキだぜ 「………」 「リメイニ、平気か?」 さっきまでの強がりが嘘のようにリメイニは俺の手をぎゅっと握って離さない 「何で、お兄ちゃんがリメイニさんといるの?」 「何でって…」 ちらっとリメイニに視線をやる。リメイニは震えながら首を横に振った 「たまたま会っただけだよ。アメリはルー君とデートか?」 「花祭り、一緒に行こうと思って…」 「そうか、悪霊ももういないみたいだし、今から見てきたらどうだ」 「うん、そうする。お兄ちゃんはどうするの?」 「リメイニが疲れてるみたいだからな、送ってく」 「お兄ちゃんは大丈夫?、けがしてない?」 「あぁ、大丈夫だよ。アメリ達が来てくれたからね」 頭をそっと撫でるとアメリはにこっと笑う。 反応が子猫みたいで愛らしい .
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