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〈アメリside〉
「ほらよ」
「ありがとう…」
「……なんで黙ってたんだよ?」
ルーが不服そうに言う。
お兄ちゃんたちと別れてすぐ、ルーは私を救急医務室に連れてきた。
巻かれた包帯が妙に痛々しい。
……大したことないのに。
「なんでって……大したことないし。お兄ちゃんには心配かけたくないの」
「へぇー、立派な妹だこと」
「……。ルーもそんなに心配してくれなくていいよ。自分のことくらい自分で……いたっ!」
「自分で……、なんだって?」
ルーが私の右手をぎゅっと掴む。
けれど実害のある痛みより、ルーの貫くような視線の方が痛かった。
唇を噛んで堪える。
視線を反らしたら負け。
「……離して」
「やだね」
「ルーっ!!」
「……お前さ、なんだってそんなに遠慮すんの?兄妹なんだろ?」
「……っ、兄妹…だからよ。お兄ちゃんだからこそ……嫌われたくない。いい妹でいたいのっ…」
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