第四章

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〈ヴィルダside〉 「おかえりなさいませ、ヴィルダ様」 「……」 リセクトリアに戻った俺を出迎えてくれたのは一人の司祭だった。 名はレイティド・・・ 深々と頭を下げている姿は尻尾を振る犬そのもの。 愛らしい外見を最大限に駆使し、今ではみごと司教のお気に入りだ。 いい生き方してるよ・・・ 俺は殺されても真似しねぇけどな。 そんなのは力のない者の生き方だ 「何だよ。……まぁ、お前が出迎えるんだから、司教がお呼びなんだろうがな」 「はい。司教様がお待ちです」 「…へいへい、着替えたらすぐ行ってやるよ。司教にもそう伝えとけ」 「確かに伝えておきます」 「ちっ」 嫌気がする。 けどこれがリセクトリアだ。 俺が生きる場所はここしかない。 エクソシストでない俺には何の価値もない。 それだけは、紛れもない事実なのだ 「司教様、ヴィルダ様は着替えをしたらすぐに来るそうです」 「そうか」 「司教様、ヴィルダは扱いにくいです。彼をこの任務につけるなんて・・・」 「なら、他に誰が出来ると言うのだね」 .
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