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〈アメリside〉
「アメリっ」
「……ごめん、ティア……。私、一人で行ける…から」
「アメリ?」
「お願い……ちょっと一人にして…」
「……わかったわ。気をつけてね、アメリ…」
少し悲しそうな顔をしてから、にこっと笑って立ち去って行くティア。
ティアの姿が見えなくなってから、私はその場に蹲った。抑えていた震えがやってくる。
「ひっ……」
いや、いや、いや………
カタカタ震える両手を見つめながら、記憶の中の人物に意識をやる。
ニヤリ、と笑う影。
私と同じ姿をした……影。
あれは私?
違うっ……私は、わたしはっ…
「エクソシストが逃げたらしいぞっ」
その声で、私は我に返った。
震えも治まる。
「エクソシストが…どうかしたの?」
「こ、これはアメリ殿。実はですね、エクソシストが教会を裏切って逃げ出したらしいんです……」
「……そう」
わかった。
私が呼ばれたわけ…
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