序章

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〈アメリside〉 子供扱いは好きじゃない。でも、嫌いじゃない。相手による。ルーに頭を撫でてもらうのは、嫌いじゃない。 「さて、と。アメリに会えたことだし、行きますか」 「また任務?」 「まぁな。…って、アメリも任務入ってなかったか?」 「え?そうだっけ?」 「そうだっけってお前なぁ……ちゃんと確認しておけよ?じゃあな」 ぽんっ、と私の肩を叩いてルーは行ってしまう。 「……」 その背中を見送っていたら、ルーはこちらを振り返らずにひらひらと手を振ってきた。 なんだか嬉しくなって、私も振ってみる。 “いってらっしゃい”の意味を込めて。 “おかえりなさい”を言うために。 「ねぇねぇ」 「え?」 ルーの後ろ姿が見えなくなったと同時に、シスターの一人が声をかけてきた。 「アメリちゃんってルーさんと仲がいいわよね。ルーさん紹介してくれないかしら?」 「紹介?」 .
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