第四章

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〈アメリside〉 生まれたのは小さな後悔。 だけど今更だともわかっている。 「…えっと……」 「アメリ」 「え?あ…、えっと…」 「グレージィです」 やわらかそうな金色の髪と空色の瞳。 柔和な笑顔は、まるで童話の中の王子様。 グレージィ・イービス・キャッパ。 最近この教会に移ってきた、新米の神父。 他の神父と比べて年が若いせいか、シスターたちの話題を一手にさらった有名人。 ………その神父様が私に何の用? 「はじめまして。私は…」 「アメリ・セラフィですよね。ヴィルダの妹の」 「…はい」 「次の任務はヴィルダと一緒に、と伺いましたが」 「はい…兄も一緒…ですが。それがなにか…?」 「気をつけなさい」 「え?」 「あなた方兄妹の進む先には、赤き未来が広がっています」 「赤き…未来?」 「そうです。それはいずれ大きな波紋となり、世界すら揺るがすでしょう。……私は忠告しましたよ?」 「……貴方、一体…?」 .
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