第五章

2/11
前へ
/330ページ
次へ
〈ヴィルダside〉 「さみしいけど、我慢して待ってるわ」 「……」 それだけ言うとスィーニティは去っていった。 そういう関係なのだ。 お互いに干渉はしない。 お互いの邪魔をしない。 それを望んだのは俺だ。 なのにこんな時だけ優しい言葉を欲しいと思ってしまう…なんて だめだな・・・俺も 溜め息をはくと俺は部屋に戻っていった 「無事でね、ヴィルダ」 スィーニティが柱の陰に佇み、ひっそりと祈っていることなど俺は知るよしもない 「準備といっても、持っていくものなんてほとんどないからな・・・」 旅行に行くわけではないのだ。 そんなに荷物もいらない。 「今頃アメリは、何してるかな」 ベッドに転がり、ふと考える。 アメリと一緒の任務なんて久々だ。 正直言うとアメリと一緒の任務というのはあまり気がのらない。 だいたいアメリがエクソシストである事じたい反対なんだ。 こんな血生臭い職業、あの子にはむいてない .
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加