第五章

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〈アメリside〉 うさん臭い神父から離れ、やっと一息つく。 自室へと続く廊下。 ふと、自室の前の人影が目に入った。 「ティア…」 「あ、アメリ。おかえりなさい」 「ただいま…。どうかしたの?」 「ううん。ただ明日からしばらくアメリに会えないんだなーって考えたらさ、ちょっと会いたくなっちゃって。礼拝堂の掃除、抜け出してきちゃった」 「……ティア…」 「気をつけて…ね?絶対絶対無事で帰ってきてね?」 「わかってる」 「約束だよ?」 「大丈夫よ。今回はお兄ちゃんもいるんだから」 「…そうね。アメリのお兄さんは強いものね。大丈夫…だよね?」 「ティア?」 なんだか様子がおかしい…… 「ご、ごめんね。いってらっしゃい、アメリ。今日はゆっくり休んでね」 「うん…」 小走りで去って行く後ろ姿を眺めながら、あの神父の言葉を思い出した。 『あなた方兄妹の進む先には、赤き未来が広がっています』 .
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