第五章

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〈ヴィルダside〉 「アメリ、おはよう」 「おはよう、お兄ちゃん」 いつもと変わらない笑顔でアメリは笑った。 アメリは変わらない。 なら俺も変わるわけにはいかない。 「もう、準備はできたか?」 「うん、もうすぐにでも出れるよ」 「じゃ、行こうか」 「うん」 どこか嘘っぽい関係。 気づいてないわけじゃないんだ。きっと、アメリも。 けど俺のアメリを大事に思う気持ちにいつわりはない。 今更なんでもないはずだ。 今までそうやってお互いにいろいろと隠しながらもうまくやってきたはずなんだから。 だというのに、何故だ?。今になって不安が大きくなるのは。 「お兄ちゃん」 「ん?、何だ?」 「お兄ちゃんはイマラリティに行ったことある?」 「いや、ないな。はじめてだよ。アメリは?」 「私もはじめて。あまり治安のいいところじゃないってことは噂できいたけど」 「あぁ、そうらしいな。…でもまぁ、俺達は任務で行くだけだから」 .
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