序章

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〈ヴィルダside〉 「なるほどな……」 古い館を目の前に、俺は一人頷く。聞いた情報のとおりだ。確かにいくつかの悪霊が屋敷に住み着いている。 まぁ、たいしたことはない。 どこにでもいる低級の悪霊が徒党を組んでいるだけだ・・・      ぎぃぃっ 扉が鈍い音を鳴らす。ゆっくりと館に足を踏み入れ、まずは辺りを確認する 「……ちっ」      ばちっ 「…っ、俺にのりうつろうってか?」 俺を確認するなり悪霊はのりうつろうとぶつかってきた。 が、そんな超低級の悪霊にやられるはずもない。 少し力を入れて弾くだけで消滅していく。 「ほら、ぶつかってこいよ。消滅させてやる」 『・・・』 「ほぉう、ザコでも学習するんだな」 いくつかの仲間を消滅させられようやく学習したのか、悪霊達は束になり俺から距離をおく。 『・・・』 「なら、こっちから行かせてもらうぜっ」 でも、あいにくさま 見逃してなんかやらねぇよっ      ザシュンッ 「消えろっ」 閃光がほとばしる。 瞬間にして消え去っていく悪霊の姿を見るのは一種の快感だ .
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