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〈アメリside〉
・・・・・
早朝の礼拝堂は静かでどこかストイックな雰囲気をまとっている。
その入り口にお兄ちゃんの姿を見つけて駆け寄った。
「アメリ、おはよう」
「おはよう、お兄ちゃん」
何気ない朝の挨拶。
それでも普段はほとんどかわすことはない。
任務が違えば、顔を合わせることさえないことの方が多いもの。
「お兄ちゃん」
「ん?、何だ?」
「お兄ちゃんはイマラリティに行ったことある?」
「いや、ないな。はじめてだよ。アメリは?」
「私もはじめて。あまり治安のいいところじゃないってことは噂できいたけど」
「あぁ、そうらしいな。…でもまぁ、俺達は任務で行くだけだから」
………感じ始めた違和感。
私が気付いたんだもん。お兄ちゃんが気付かないわけがない。
私たちはいつまで“偽りの兄妹”でいられる───?
なんで今更になってこんな不安を感じるのかはわからない。
でも……
「いこ、お兄ちゃん。列車出ちゃうよ」
「あぁ、そうだな」
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