序章

8/11
前へ
/330ページ
次へ
〈ヴィルダside〉      ぐにゅっ 最後の一体になった悪霊を俺は手で捕まえた。黒い影がジタバタと暴れる 「はっ…無様だな」 ザコが必死になって、バカらしい。ゆっくり力を入れてくと、悪霊が泣き声のようなものをあげる。 この感覚が、たまらなく心地よい。 俺は、笑っていた 「おやめなさいっ」      パチンッッ 声と共に知らない女が館に入ってくる。目を丸くさせていた俺に、突然の乱入者はずかずかと近づき、おまけにビンタまでくれた。 長い金髪、年は俺と同じくらいか?。格好からしてシスター…だろうな。《リセクトリア》のシスターとは違うようだが 「なんて酷(むご)いことを…」 「悪霊だぜ、これは」 「悪霊になるにも理由があります。慈悲の心を忘れてはエクソシストも悪魔と変わりません」 「はぁ?」 何言ってんだ?こいつは。 一番キライな人種だ。 嫌気がする。 「へいへい。わかりましたよ」 「……」 「神の名において誓う。汝あるべき姿を取り戻せし時・・・」 言い合っても意味がない。 俺は溜め息をこぼすと、もっともかったるいお祓いをはじめた .
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加