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‘相沢涼子’
その名前は、高杉にとって最も大事な女の名前。
高杉は図書室から屋上へと移り、中学時代のアルバムを見ていた。
中学から高校2年までの間、涼子と同じクラスだった。
彼女といつも一緒に居た。
どれだけ罵っても罵られてもそれでもいつも2人で居る事が多かった。
彼女のお陰で高杉の学園での生活は思わぬほどに思い出深いモノへとなっていた。
「あの・・・・高杉・・さん?」
思い出に耽っている高杉の耳に聞き慣れた少年の声が聞こえた。
少年-志村新八は銀時が部長として居る万事屋部の部員。
そして、相沢涼子が珍しく気にかけて居た少年でもある。
「何だぁ?」
少しだけ睨み付けるように新八の方へと視線を向ける。
新八は高杉の睨みに怯え、足が震える。
元々、精神面はかなり弱い彼にとって高杉は狂犬。
そんな怯える新八を高杉は横目で見ていた。
『何度も言ってるでしょ?』
懐かしい声が高杉の脳内に響く。
『新八はメンタルが凄く弱いのよ?』
呆れたように笑う彼女が脳内に鮮やかに蘇る。
『本当に仕方ない男ね。子供みたい』
静かに微笑む彼女を最後に見たのはいつだったか・・・
『あぁ?まだ子供だろうが。』
彼女の前では素の自分を出せた。
『あら?この間は大人だって言っていたのに?』
そしていつも・・・・
『クククお前さんはいつも思い通りにならねぇなぁ?』
馬鹿げた言い合いを繰り返し
『それでも・・・私の目的が果たされるまでは貴方の傍に居るわよ?』
そして・・・・
『ハッ分かってらぁ。』
いつも2人で居た。
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