プロローグ

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「トシ・・・」 放課後、土方の元に砂奈と銀時が現れた。 「何・・・泣いてんだ?」 困惑する土方の脳裏に嫌な考えが頭を過ぎった。 「本間なん?」 「あ?」 「あっちゃんが・・・涼子が・・行方不明って」 そして土方は泣き崩れる砂奈を優しく抱きしめた。 屋上。 高杉は笑った。 生徒会での話を実は聞いていたのだ。 銀時と砂奈と一緒に。 圧し掛かった重たい現実に否定も肯定も出来ない。 呆然としたまま屋上にまた来ていた。 高杉はフェンスにもたれながら空を見上げた。 呆然と夕暮れに染まる空を見た。 「ハッ・・・俺ぁ頭でも可笑しくなったのか?」 呟く独り言。 「泣いちまうし、幻見るしよぉ」 そう言いながら屋上のタンクを見上げた。 「なぁ?」 タンクの方へと言葉を投げ掛ける。 「さっきまで此処に居なかったよな?」 そして、柔らかい笑顔を向ける。 「行方不明じゃなかったのか?」 夕暮れで髪の毛がオレンジに染まる。 「なぁ・・・」 そしてタンクの上に座る人物は笑った。 「沖田よぉ・・・」 夕暮れは綺麗で 高杉の声は綺麗な夕暮れの空に溶け込んだ。 1話に続く
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