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これはとある芸術家の詞である。
「芸術」とは一般的に、一定の材料・技術・様式を駆使して、美的価値を創造・表現しようとする人間の活動およびその所産と解釈され、造形芸術(彫刻・絵画・建築など)・表情芸術(舞踊・演劇など)・音響芸術(音楽)・言語芸術(詩・小説・戯曲など)、また時間芸術など、視点に応じて種々に分類されるのだが、果たして本当にすべての人が「げいじゅつか」になることができるのだろうか。
資格などあるのだろうか。
そんなことを今この場で究明する必要もないのだが、でも
「ぼくは信じられないな。“どんな人”でもなれるだなんて」
恥ずかしながらこのぼくにも芸術家を目指していた時期があった。自慢じゃないが美術系の高校に通っていたし、芸術大学にも現役合格した。だけどぼくには他者と決定的に、それも芸術を学ぶ人間にとっては致命傷ともいえるだろう異なる点がある。
自分の作品を何ひとつ愛することが出来ないのだ。
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