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「あんた、シンジの何な訳?」
「僕は恋人だと思っているよ。」
「あんたの意見を聞きたいんじゃないの。実際の所どうなの?」
「だから言ってるだろ、僕は恋人だと思っているけど、シンジ君はどう思ってるのかわからない。だからシンジ君に聞いてみなきゃわからないのさ。」
私はこの憎たらしい笑みが大っ嫌い。
こいつが笑うとシンジも笑う。だからこいつが大っ嫌い。
もちろんシンジがこいつに向けるそれは、愛想笑いなんて物ではなくて、正真正銘の笑顔。
それは私にも向けられる物だけど、シンジの笑顔をこいつと共有しているのが気に入らない。
私だけに、私だけの笑顔を見せて欲しい。それはきっと、未だ見ぬ物。
「僕ねえ、君のそれはヤンデレってやつだと思うんだ。」
「知らないわよ、そんな専門用語。それに多分違うわ、そんなんじゃない。」
「どうだか。」
こちらは真剣に悩んでいるのに、ふざけた返事しか返って来ない。
なんだか悔しくなって、膝を抱えて丸まった。
「私は特別な人間なんだから、特別な笑顔を特別な私だけに見せて欲しいのに。」
「君自身が特別でも、シンジ君にとって君は特別なのかなあ。」
小さく呟いた、所謂独り言。すると、求めてもいない返事が返って来た。
「うるさいわね。独り言には返事をしなくていいのよ。」
「そうなんだ、覚えておくよ。でも独り言は1人の時に言うべきだと思うんだ。」
「…もう黙って、あんた。」
(すきな笑顔ときらいな笑顔)
アスカはぜいたくねえ←
2009/9/3
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