第一章 16歳の誕生日

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一日なんて早いもんで、今は今日最後の授業のホームルーム中。 文化祭で何をするかの討論をしている。 私の学校は他の学校と違い文化祭の時期が遅い。 理由は分からないけど、何でも校長先生の『お茶目なサプライズ★』…らしい。 あんなゴリラみたいな顔してよくそんな事言えるよね…。 でもまぁ文化祭の時期がずれて困る事なんて特に無いから、誰も文句言わないんだけどね。 「みんなでバンドしようぜ!!」 勢いよく手を挙げたのはサッカー部の佐伯龍之介君。 色黒でいかにもスポーツしてます!! みたいな顔をしている。 短い髪をワックスで立てていて顔も格好良かったりするので、結構女子からは人気があったりする。 性格も明るくて面白いから男子にも慕われててクラスの中心的存在。 「却下」 室長をしている愛が、教卓の前で司会を進行している。 今の声は愛が白い目で佐伯君を見て言い放った低い声。 「いいじゃ~ん」 佐伯君は愛から出る負のオーラに全く気づいてないようで、唇を尖らしながら抗議している。 「この人数でバンドなんてできるわけないでしょ」  
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