第一章 16歳の誕生日

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「成せばなるだよ!気合いと根性でどうにかなるだろ!!」 ニカッと黒い顔に真っ白な歯を見せて笑う。 愛は頬をピクピク動かしあからさまに嫌な顔をしている。 そしてため息を1つ。 「これだから筋肉馬鹿はいやなのよ!」 それと同時に教卓をバンとたたく。 「世の中気合いと根性でどうにかなるだなんて、おめでたい頭してんのね~あんた」 フンっと馬鹿にしたように鼻で笑うと佐伯君を見る。 「ムガァ…!!」 佐伯君が奇声を発した。 それが合図みたいに2人の白熱したバトルが始まってクラス中が笑いに包まれる。 佐伯君、口から火吹きそう…。 私もクスッと笑みを漏らす。 いいなぁ、愛は…。 あんな風に男子と話せるなんて。 私には男友達なんていないしまともに男子と話したこともないから、ああいう風に言い合える2人が羨ましい。 「ねぇ、満月は何したい?」  
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