91人が本棚に入れています
本棚に追加
「行って来まーす」
誰もいない家に向かって小さく呟く。
小さい頃に両親を失ってから、私はずっと一人暮らし。
親戚の人の所に厄介になった事もあったけど、馴染めなくて一人暮らしをさせてもらってる。
幸い、私は裕福な家に生まれたからお金には困らなかった。
今も両親が残してくれたお金で、何不自由なく暮らしている。
と言っても、そのお金を何のためらいもなく使っちゃうのは気が引けるから、自分でもアルバイトをして生活している。
(はぁー…学校面倒くさ…)
今はもう十月。
学校にもだいぶ慣れてきた。
入学した時から私には憧れていることがある。
それは、『親友』を作ること。
私って今まで、何でも話せる友達がいなかったんだ。
なんだか妙に人を信用できなくて…。
いつも仲良くしている友達の相談を受けることはあっても、自分のことになると話せなかったりする。
最初のコメントを投稿しよう!