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「てか、誰??」
闇駐輪場の最後の一台分のスペース。つまり、僕の駐輪場所なんですけどね、シャンパンゴールドの綺麗な自転車が停めてあるんですよ。
それはもう、優雅に凛々として。
「停めれないし……」
その場で呆ける事二分。
ただ、かかしのように立ち尽くしていた僕でしたが、そうは言っても始業式の開始時刻は刻一刻と迫ってきている訳ですよ。
オーッ! タイム・イズ・マネー! ってな感じで、仕方なくランキング序列最下位のチャリを退かして僕のポルシェを停めましたよ。
まぁ、お陰で最下位チャリは、側溝の中に入っちゃいましたけどね。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
ならぬ
『側溝・イン・ザ・チャリ』
って感じで、何となく滑稽だったんでね、テーマソングでも考えてあげようかと思った矢先、パターンのように鳴るんですよ。チャイムが。
こうしちゃいられねぇ! 合点承知の助! ってなもんで、鞄を抱えて全力疾走しました。
え? 何でシャンパンゴールドを退かさなかったのかって?
だって、誰のか分からないじゃないですか。
得体の知れない者に立ち向かえるほど勇者じゃありませんて、僕。
鋼の剣も薬草も持ち合わせていませんでしたしね。
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