27人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
で、当然の事ながら僕は十メートル先の家の子、仮に『如月君』とでも……いや、格好良すぎるので『スーザン君』にしておきましょう。
僕はスーザン君よりも二十分も早く起きなくちゃなんない訳ですよ。
その二十分のハンディキャップがあるにも関わらず、最終的にゴールテープを切るのはスーザン君。
理不尽。あぁ、何て理不尽なんでしょう。
更には僕を抜き去る際のスーザン君の……この際、呼び捨てで行きますね。スーザンの人を見下したような侮蔑の眼差し。
『そこに生まれ落ちた自分の不遇を呪うんだな』
って眼差しがね。
ぜんっっっっっ然! 納得が行かないって話ですよ。
じゃあ、何か? チャリという馬を与えられたお前が侍大将だとすると、僕は一介の名もなき槍持ち。そのぐらいの階級の差があるとでも言いたいのか?
ええ? スーザンよ。
小学校の頃は、バス通学と徒歩通学。そして、このまま最寄りの高校に進学した場合、原チャリ通学とチャリ通学。
あぁ、悲しいかなこの差は埋められないのであろうか? 僕はこの家に生まれたが為に、永遠にスーザンに背中を見せつけられなければいけないのか?
最初のコメントを投稿しよう!