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いや! そうは行きませんよ。あぁ、行きませんとも。
新たなる試み。それは校則違反であるチャリ通学。
そう、徒歩通学の生徒がこっそりチャリ通を行い、密かに隠し置いておく闇の駐輪場があるんです。
あぁ、仰々しく紹介しましたけどね、只の駄菓子屋の裏の空き地に勝手に置いてるだけなんですよ。
まぁ、駄菓子屋にしてみたら僕達は『お得意様』な訳で。
当然、毎日のように入れ替わりで置いてある数台の自転車に気付かないハズはないのですが。
そこは、アレですよ。暗黙の了解と言うかですね、ケース・バイ・ケースケ・サンタマリア的なね。
「ウチの商売が成り立ってんのは、オメーらのお陰だよ。安心しな、学校には黙っててやるからよ」
「有り難うおっちゃん! お言葉に甘えるよ」
う~ん。田舎ならではの人情話って言うんですかね。僕達も子供の頃からせっせと通ってましたからねぇ。
その努力が実になったとでも言いましょうか。
まぁ、ちなみにそんな会話が行き交った事は未だかつて一度もないんですけどね。
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