無力

5/6
前へ
/94ページ
次へ
「…お父様…お父様の無念さを…私の怨みを…すべて捧げてあげる…そのためには……神のお告げ…そうね…お告げよ」 五月は神社へゆっくりと歩き出した。 「お父様の怨み…私が晴らしてみせるから」 とある神社に訪れ、中で五月は祈った。 「お父様の仇…私に討たせて…なんだってする…私が私じゃなくてもいいから!だから!」 五月が叫ぶと、どこからか低い男のような声が響いた。 ―……お前が仇を討つ者になると…今までのお前には戻れなくなるぞ…それでも良いのか…― 「もう…戻らない…私は前に進むわ!仇を討つのはこの姿でなくてもいいわ!だから…お願い!私に…私に力を下さい…」 ―…本当に…良いのか…後悔はしないか…― 「大丈夫!だから!…お願い…私を…っ」 五月が言うと突然自分の真上に雷が落ちてきた感覚になる。 「いやぁぁ!」 それと同時炎が出てきて、に五月の体は炎に包まれた。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加