真夜中のF2病棟

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屋上には誰もいない。僕は自殺する人が来るのを待ち構えた。 2時7分誰も来ない。僕はフェンスの近くへ行った。死体が落ちていないか確認するためだ。 その途端に僕に自殺衝動が芽生えた。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。その言葉だけが心にあった。下を覗き込む。そこには、沢山の人の霊が僕に手を振っていた。 その時、胸ポケットから人形が落ちた。 人形は地面に落ちて、弾けた。弾けると同時に光った。その光に霊達は掻き消された。 その年の自殺者は人形。 その後、自殺者は出なくなった。
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