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その男の子の前で
美優は足を止めた
｢こんにちは｣
美優は初めて自分から挨拶をした。
男の子はビックリしたようだったが
｢こんにちは｣
と笑顔で返してくれた。
あたしもニッコリと微笑んだ。
その様子を見ていた紗理奈は感動のあまり泣き出していた。
美優が笑うことはめったになかったのだ。
いくら紗理奈が面白い話しをしたって、変顔をしたって苦笑いしか浮かべてくれなかった美優がその少年の前で満面の笑みを浮かべていたのだ。
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